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2年生クラスの制作物(裏地なしコート)

 

2年生クラスの制作物(裏地なしコート)の紹介です。

 

デザインは統一、細部のサイズ設定等は各生徒さん毎に決めてもらい、

パターンを制作してもらってます。

 

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とても鮮やかな発色のよいトロピカルな花柄とボーダーが組み合わされた

プリント柄のコート。織が甘い、生地表面の素材感も特徴的な生地で、

柄だけでなく生地の質感からも、春夏に活躍しそうなコートです。

クラスメイトから「販売されてたら買いたい」と言われてました。

 

 

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衿が重なり見えにくいですが、後身頃にはヨーク切換えがあります。

 

全員、上画像と同デザインのコートを制作してもらいました。

同デザインでも、ヨーク、ギャザー、衿のパターン線の決め方で

やはり少しずつ雰囲気が変わったり、生地や糸の違いでも変わります。

 

授業では、時間の関係で1種類しか制作しませんが、

そのほかにも、始末の仕方の違いについても作業時に説明したりして、

説明した始末の縫製練習を自宅でして、仕上げてくれた

生徒さんがいらっしゃいました。

 

授業で聞いただけでは(ノートにとったりしていたとしても)

実際作業をしないと忘れてしまうことも多いと思います。

そして、縫い方も始末も、幾つも種類があり、どのような始末にするのか、

デザインや生地など、いろいろな要素や狙いから決めていくものです。

 

自発的に取り組まれる熱心な生徒さんがいると、とても嬉しく、

繰り返して作られただけであっても、3着の中だけでも上達がみれました。

 

やはり、数を縫う、ことはとても大事です。

縫っている中で、自分自身で気付いたりコツを掴めることも多いと思います。

 

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コートを開いたところ。

リバーシブルで使える生地を使用されています。

 

リバーシブル使用ができる生地と、そうでない生地とでは、質感が

変わることも多く、縫い心地やアイロン具合が確実に変わるはずなので

生地を変えることでも、いろいろと勉強になると思います。

 

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デザインは全て同じですが、生地が変わるとやはり雰囲気が変わりますね。

ステッチをピンク色にされていて、ステッチがアクセントになっています。

 

コート類のアウターは、ステッチ糸を、どんな色にして

どの種類(太さも含む)の糸を選ぶかで、またイメージが変わりますし、

糸によって縫う際の縫い心地も変わるので、いろいろな糸で縫う

経験からも、自分の好みを見つけることができます。

 

 

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ステッチ糸、ボタンつけ糸と、パイピング生地の色を合わせてあり、

裏側ではありますが、こういった細部のこだわりにも、作り手の

好みなどが出る部分です。

 

表からは見えない部分までこだわる服作りは、私も好きです。

作る側がしかける遊び心が細部にみられる服もあるので、そういった服も

参考にして、犬服にもどんどん取り入れてもらうと楽しいと思います。

 

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裾側にも裏パイピング始末で、配色となっています。

 

ステッチやパイピングの色をきかせると、ちょっとしたことでも

目立ちやすくなるので、気がぬけませんが、

練習するには、少しのズレもわかりやすく、気がひきしまって

正確性を意識すると思うので、よいと思います。

 

 

課題としてアイテムやデザイン(仕様)が決められている場合、

どういった生地を用意してもらうか、作業前に伝えます。

どうしてそういう生地を使用するのか、には意味があり意図があります。

また、そういう生地でないといけない場合もあります。

その服を作るには適しない生地、使えない生地もあります。

 

いろいろなことがわかっていて、生地に合わせて、自分で

アイテム、デザイン、ディテールと、いろいろな調整をできる場合は

問題ないですが、何もわかっていない段階で、単に「この生地を

使いたい」という理由だけで生地を選別するのは問題がある場合もあります。

  

生地に合わせて、デザインや細部のディテール等を決めていくものですが、

あらかじめ、デザインや細部ディテールが決まっていて、

適しない生地で作る場合、無理矢理に作っていくことになり、

その生地で作るなら本当はもっとこうした方がいい、

こうでなく普通はこうする、ということが多々起こり、

仕方なく、そのまま強引に制作を進めることになります。

 (そのことを生徒さん本人があまりわかっていない、気付かない、

服として完成はするので、たいした問題だと認識しないことは、

その後の服作りをしていく上で問題だなと感じます。)

 

ニット縫製できない生地や、ニット縫製の仕様ではよくない生地を用い、

ニットのアイテムを作ろうとする方が時々いるので、過去、

そういった指摘をされた場合は、注意してみてください。

 

どういった生地がよいか伝えた上で、適しない生地を準備された場合は、

よい方法として学べなかったり、本来(その生地にとっては)よくない方法を

無理矢理選択せざるをえないことがあります。

どんな生地で何を作ってもいい、というわけでもないのです。

 

 

例えば、裏地なしコートは裏地がつかないコートなので、

裏地をつけるコートと混同して考えてはいけません。

単に裏地をつけていないだけ、ではなく、それに合わせて

生地を選ばなければいけません。

生地の特性を知り、正しく選別できることも大事で、

そのためには、生地や素材についても知識を深めていただくとよいと思います。

 

正しく生地の選別ができることも、服作りにおいては

とても大事なセンスの一つであると思います。

 

 

附随するいろいろな情報や知識、作り方のバリエーションなど

専門クラスではより詳しくお伝えしているので、

授業でなにげない雑談風に話していることでも、

作業中、他の生徒さんに話していることでも、

耳を傾けていただけるとよいかと思います。

 

4期生は、現在裏地つきコートの制作中。

完成まで、みんな頑張ってくださいね!